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具体的な治療内容


南心堂は基本的に鍼灸治療室でありますが、カウンセリングルームでもあります。
身体面からのアプローチとして鍼灸治療を、心理面からのアプローチとして心理療法・カウンセリングを行っています。

心療鍼灸は、最近ちらほら出てきました、うつ病などにも対応しますと謳っている鍼灸院のように、問診や鍼灸治療中の会話にカウンセリングマインドを持って応対しますという意味だけのものではありません。
南心堂では、心理療法は心理療法として、鍼灸治療は鍼灸治療としてきちっとした枠組みをもって行います。
心理療法はもちろんのこと、鍼灸治療においても、カウンセリングマインドをもって応対するというのは基本以前の問題だと考えています。

また、ここで誤解のないように強調しておきますが、身体症状に対して鍼灸治療を、精神症状に対して心理療法をというのではないということです。
東洋医学にはもともと「心身一如」という考え方があって、心と身体を一元的に捉えています。つまり、理論的には、患者さんを診察し、経穴(つぼ)を選んで鍼灸をすることによって、身体症状だけでなく精神症状に対しても影響を及ぼし得るということなのです。
実際に、うつ病の方に鍼灸治療のみを行って、身体症状のみでなく抑うつも軽減されることはよくあります。
では心理療法はというと、心理療法も、心理面にアプローチすることによって身体に影響を及ぼし得ます。
例えば、軽度のうつ病で、投薬治療やその他の治療も受けず、心理療法のみの対応であっても、抑うつだけでなく全身倦怠感などの身体症状も軽減されことは、特に珍しいことではありません。
また、パニック障害においても、心理療法のみの対応で、パニック発作時の身体症状が軽減することは、メンタルヘルスに携わるものであれば誰もが経験することです。
このように、鍼灸治療も心理療法も、介入する部分が違うだけで、身体と精神の両方に影響を及ぼし得るのです。

南心堂の治療には、鍼灸治療のみ・心理療法のみ・鍼灸治療と心理療法の併用の、3つのパターンがあります。
どれを選択するかは、患者さんの意思が尊重されます。

心理療法は別のところで受け、鍼灸治療のみを希望される方もおられますし、鍼灸治療は気が向かず、心理療法のみを希望される方もおられます。もちろん、両方される方もおられます。
さらには、ます鍼灸治療で始めて後から心理療法に切り替えたり加えたりすることもありますし、その逆パターンもあります。

心療内科や精神科の受診歴が無い方もおられますが、こちらの判断で受診をお勧めすることがあります。その際、希望があれば紹介もいたします。

患者さんご本人ではなく、ご両親やご兄弟、配偶者など身近な方が相談に来られることも珍しくはありません。

鍼灸治療は、
問診・視診・触診(脈や舌、お腹や背中などの東洋医学的な触診もします。)・聴診をして、中医学的に心身の状態を判断し、経穴(つぼ)を選択し、鍼や灸をします。
鍼は一般的な鍼治療で使うものより細い物を使うことが多いです。
刺さっている深さは、大方1o以下です。(症状によってはもう少し深く刺す部分がある場合もあります。)
鍼を刺したまま、10分〜15分程横になっていてもらいます。
仰向けとうつ伏せ両方ありますので、診察の時間も含めて、全体で約45分〜50分程度かかります。

心理療法・カウンセリングは、
認知療法、認知行動療法、来談者中心療法を行っています。
患者さんの状態よって、あるいは時期によって、どの療法をするかは変わります。
例えば、始めは来談者中心療法をし、後に認知療法をしたり、逆に始めの頃に認知療法をし、後に来談者中心療法をすることもあります。始めから終わりまで同じ療法をすることもあります。
心理療法は1回50分です。

心理療法と鍼灸治療を併用する場合、
まず心理療法をし、その後鍼灸治療をします。
時間は、両方で1時間30分から1時間45分程度です。
1回目は約2時間ほどかかるとみておいてください。